大人になってから住み始めた東京。
学生時代を東京で過ごしてないので知り合いも少ない。人と偶然会うことなんて皆無と思っていた。でも、そんな偶然をこの10年で何回か経験した。
麻布十番の横断歩道で。
渋谷のスタバで。
渋谷の銀座線のホームで。
日比谷線の中で。
あと、どこでかは言えないけれど、こないだ、私を追い越して歩いて行った人、多分、あの人。
私の頭に流れていたのは米津玄師のlemon。
見覚えのある襟足。少し癖のある黒髪。歩き方。
あんまりいい別れ方をしなかった相手。
私が知らないバッグを持っていた。会わなくなって何年も経つ。数年で服も持ち物も変わるんだ。
私は日傘をさしていたから、後ろからでは分からなかったのか。彼はあまりにも私の近くを通って行った。
それとも分かってて…まさかぁーー
今年は7月から灼熱の真夏日が続いている。その日は涼しい風が吹いた、秋みたいな日だった。

ああ、過去になったんだ。
彼もきっとそう。だから私の背中から下のシルエットではピンと来るものがなかったのだ。
ふん、未だに想われてても困るし。
Lemonの曲にぴったり…なような、いーや違う。。こんなに切ない気持ちじゃない。でもこんな気持ちになった時もあった、、とは思った。
その時の状況で映画や小説の感想が変わる場合が多いにある。
ララランド、正直何も感じなかった。今、結婚していて、もし隣にいるのが夫でなく、彼だったら…なんてタブーな想像するシーンがあるのだけど、その演出が「切ない」というより、鮮明な感じだった。キャスティングを変えて人生を振り返ってみる、それを早送りして見せられてる感じ。
もし前者だったらもう少し共感を呼んだかも。うーーーん。文芸は分かりづらいところにこだわりがあるから厄介。
女性の多くは昔の男に未練がない。
話を戻して。
もうあの頃とは環境が違うし、大人になったので、外に青い鳥を探さない。もうお家にいるのを知っている。
それに幸せの解釈は、ある程度努力によるものだと思う。
そして、夫がこんな気持ちになる機会がないことを願った。胸がキュッとなった。